(1)はある若者の、死後の世界をめぐる一夜の旅を幻想的な筆致で語る。主人公は霊からあの世の旅に招かれて飛び立ち、ダンテの『神曲』よろしく地獄の環道から煉獄(れんごく)、そして天国を旅していく。先々で出会う人々は、人生の重大な瞬間をめぐる物語を次々に披 ...
今年は「昭和100年」、あるいは「戦後80年」という言われ方もする。いずれにしろ時代の節目ということになるのだが、確かにこの2、3年来の動きを見ても、時代の変革の鼓動が聞こえてくる。例えば、ロシアのウクライナ侵略戦争をはじめとして、 ...
ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国大統領に再度就任する1月20日が迫っています。アメリカで選挙や政治の趨勢に大きな影響力を持つのが、一般に保守的とされ、国民の約4人に1人を占める「キリスト教福音派」。『アメリカの十字架』(明石書店 ...
片岡義男著『日本語の外へ』は、単行本刊行時に「1997年は片岡義男のこの本と加藤典洋の『敗戦後論』の二冊の出現によって画期的な年として記憶されることになるだろうと思った」と高橋源一郎さんに評された名著です。四半世紀の時を経てちくま文 ...